音楽が教えてくれたこと ~ 言葉を超えて繋がる~

YBSでは、日常の保育に手遊びや歌、リトミックなどの時間があります。
日本語の歌でも、英語の歌でも、 興味を持って一緒に楽しんでくれる子どもたち。


音楽はYBSの子供たちが大好きなことの一つです。
歌を通 して言葉を覚え、使えるようになる経験は、私たちも記憶にあると思います。

「世界の共通語」と言われるこ​ともある音楽。
本物の楽器を目と耳と心で感じる経験を・・・
欧米には、交響楽団でも乳児連れのコン​サートが珍しくないのだから・・・
生の演奏を真近で体験してもらいたい・・・!!

​そんな想いの中、高校の部活動で訪問演奏をしている横浜市立南高等学校弦楽部との​出会いがありました。
こちらの申し出に快諾くださり、
今回の「YBSの子どもたちのため​の演奏会」が実現しました。


実はこの演奏会の実現には、少し難しい問題がありました。
普段高校生が部活動として動ける時間は、夕方遅くやYBSに子ども達が来ない週末。
午後の授業のないこの日に決まりましたが、お昼寝中の子どももいます。
安眠を楽器の音で 妨げられ、目覚めの悪いことにならないか・・・
そんな心配や不安もありました。

演奏会当日。広い保育室の後方でドキドキしながら準備をする高校生。
すると、

「本日は、コンサートにお集まり くださりありがとうございます。チケットはお持ちですか?」

いつもの保育室を​「コンサート会場」にするアナウンスが始まりました。

「持ってるー!」と子供たちの元気な声。

目に見えるチケットはありません。
でも、子どもたちの心は、すでに会場へと惹きつけられていました。

先生たちの「コンサートを楽しむためには、お約束があります。お話ししないこと、お耳を使っ てよ
く聴くこと、お膝を三角にして座ること」の声に、最年長のピタゴラスをはじめとする子供たちが反応しました。
お約束どおりに体を動かす子供たち。
ワクワクしながらも、三角お膝で座っていた子どもたちが、
あらためて背を伸ばして正す姿がたくさん見られました。

「Hello everyone, 皆さんこんにちは!」

進行担当の高校生が、英語と日本語であいさつ をすると
「英語、話せるの?」という声が聞こえてきました。


南高等学校は目指す姿の一つに「世界と出会い、将来の夢を大きく育てる」を掲 げ、
文部科学省よりスーパーグローバルハイスクールの指定を受けているということです。
国際交流も盛んなので、グローバル教育を目指すYBSと共通するものがあります。

曲紹介、楽器紹介は、すべて英語と日本語​で行ってくれました。
それは「YBSのための演奏」を意識してのこと。
「YBS全ての子どもたちに 伝えるため」、
学生たちがたくさん準備をしてきた想いに感激しました。

1曲目は、弦楽合奏のための組曲。
バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの楽器の名前を知り、
形は同じなのに、大きさが違うと音が違うことを子供たちは実際の楽器と音を聞きながら学びました。

楽器の名前を当 てっこする場面では、
知っている名前「バイオリン」を全楽器に言ってみたり、
教わった​名前を繰り返し発言したり、積極的に口にする子どもたち。
演奏の場面では、じっと聴き 入り、高校生から発言を求められると応える姿。
演奏者と聴衆が繋がる姿がここにもあり​ました。

2曲目の「It’s a small world」、最後の「“Frozen” medley」では、
手拍子、体を揺らす、隣のお友達と肩を抱き合う姿!
そして演奏から目を離さずじーっと“お膝三角座り”で固まっている子​も。
子供たち一人ひとりが、それぞれが感じたことを表現していました。
そして最後には自然と合唱に!


演奏することが好きな高校生が、YBSの子どもに「音楽」を伝えることを、
楽しみにしながら準備してくれた演奏会。
演奏会がおわるころには、ちょうどお昼寝時間も終了していました。
心配をよそに、早めに目覚めた子どもは、弦楽器の音色の中、じっと横になって耳を傾けていました。


YBSが大切にしている「言葉を超えた繋がり」。
それが音楽を通し、スタッフも含めたみ​んなに伝わり、温かな空間ができていました。
高校生からの音楽による語り掛け。
その語り掛けを受け取ったことから溢れ出る感情を体の動作や表情などの「表現」という方法で伝える子供たち。
そのやり取りは、子どもたちの内から発信される“音楽を共有している喜び”でした。


みんなでお礼を言葉で伝え、閉会です。
コンサート会場を去る前に、高校生がYBSスタッフに挨拶をし、少しお話しをしてい​ました。

すると、一人の男の子がその高校生に走って行き、ハグをしたのです!
今日初めて出会った高校生に抱き付いたのは、
幼くて、言葉での表現が難しい男 の子が伝えたかった、「ありがとう」か「たのしかった」。
もしく は「ばいばい」だったのかもしれません。

その高校生は「嬉しかった。小さな子ども たちだけど、音楽で
心が繋がるんだと確信したときは喜びで、感激した!」と話してくれました。


思いを伝えたい、心が繋がりたいという願いに、年齢も国籍も言葉も壁にはならない。
YBSには、そう思わせてくれる光景がいつもあります。
そして、コンサートを聴くお約束をしっかり守ることができた子どもたちの、
国際人としてのマナーの第一歩を見て、とても頼もしく、誇らしく感じた演奏会でした。

Ako この記事を書いた人

Ako

YBSの子供たちのこと、ママたちのこと、家族のこと、そしてスタッフのことを暖かい愛情で見守り、包んでくれるママ的存在。子供たちにとって何がいいかを一番に考え、優しく暖かい空気は子供たちを安心させてくれる。これまでの保育の経験や教育の知識、そしてグローバルな活動を活かし、YBSを支えてくれている。